研究テーマ | 科学技術をめぐり、社会と専門家の双方向的なコミュニケーションをデザインし、市民に科学技術の光と影、それを考えるきっかけづくりの開拓 |
研究分野 | 科学技術コミュニケーション, グラフィックデザイン |
キーワード | 科学技術コミュニケーション, グラフィックデザイン, 情報デザイン, プレゼンテーション, 研究アウトリーチ, 研究広報, 市民の立場から生殖補助医療を考える |
研究紹介
私たちは2011年3月11日に東日本大震災を経験しました。この災害をきっかけに、これまで科学技術によって推し進めてきたエネルギー政策、国土開発、都市計画、防災研究への信頼は大きく揺らぎました。さらに、震災からの復興を目指そうとしたとき、私たちがこれまで追い求めていた、物質的な豊かさ、経済的な豊かさ、自然をコントロールしようとする姿勢が正しかったのか再考が始まりました。
このように、より良い未来を目指して市民は、科学の知見を参考に下される社会的意志決定に参画することが求められるようになりました。
科学によって問うことはできるけれども、科学によって答えることのできない問題を、トランスサイエンスと呼んでいます。アメリカの物理学者、ワインバーグが使った言葉です。例えば、出生前診断のように、生命倫理が絡むような問題は、まさにトランスサイエンスです。純粋な科学の枠を越えて個人の思いや考え方を問う「問い」は、ますます重みを持ってきています。日本だけでなく、世界が直面している「問い」は数多く存在します。環境問題、水・エネルギー資源・食糧を巡る問題、ジェンダーに係る課題など、持続可能な社会を実現する上で問われる「問い」の多くもトランスサイエンスです。すぐに解答のでるテーマではありませんが、様々な活動を通じて課題解決のための前進につなげたいと考えています。それが世界に求められているソーシャルグッドな活動です。
一方で、科学には私たちの生活を豊かにしてきたという揺るぎない事実があります。科学の営みは、人類の歴史そのものです。私は市民に科学技術の重要さ、それを学び考え続けることの意義と楽しさを伝える活動に力を入れたいと考えています。
代表的な研究業績
学位 | デザイン学(修士) |
自己紹介 | 筑波大学大学院在籍中より、フリーランスのグラフィックデザイナーとして筑波研究学園都市を拠点に活動。大学、研究機関、自治体の広報・デザインを多数手がける。2005年、北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)第1期から教育スタッフとして参画し、以来、科学技術コミュニケーション教育、グラフィックデザイン教育に従事してきた。常に“手段としてのデザイン”と“目的としてのデザイン”を行ったり来たりしている。盛岡出身。テニス、スキー、ボード、スキューバーダイビング、茶道、囲碁、料理など広く浅く興味をもってしまうが上達はしない。囲碁はけっこうできます。遠い将来の夢はマルチハビテーションの実現。 |
学歴・職歴 | 1995年:筑波大学第三学群社会工学類(都市計画専攻)卒業 1997年12月:大津総合環境デザイン研究室設立(個人事業) 1998年:筑波大学大学院修士課程芸術研究科環境デザイン分野修了 2005年10月〜2016年3月:北海道大学CoSTEP 2016年4月〜2017年11月:高エネルギー加速器研究機構 2017年11月〜2018年3月:国立情報学研究所 2018年5月〜現在:北海道大学理学研究院 2015年度:グッドデザイン賞(公益財団法人日本デザイン振興会主催) 2014年度:文部科学大臣表彰 科学技術賞(科学技術コミュニケーション) |
プロジェクト | 企画・制作した映像「Belle II : Open a window to New Physics」 鈴木-宮浦クロスカップリングとはどのような反応なのか,簡単なアニメーションを制作しました |
居室 | 理学部5号館 |