研究者情報

藤森 千加

助教

Fujimori Chika

生殖腺の違いをゲノムから理解する

生物科学部門 生殖発生生物学分野

basic_photo_1
研究テーマ

脊椎動物の生殖腺機能に関与する遺伝子の発現と機能の進化上での変化をゲノムから明らかにする

研究分野分子生物学, 生殖生物学, 比較内分泌学
キーワードホルモン, 生殖腺, 卵巣, 精巣, エンハンサー, 進化

研究紹介

生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)、濾胞刺激ホルモン(FSH)、黄体形成ホルモン(LH)は、脊椎動物の生殖腺機能に必須の因子ですが、これらの発現や機能は脊椎動物の系統間で異なっていることが明らかになってきました。発現や機能が進化上のどこで、どのように変化したのか、その変化を引き起こしたゲノム上の変化は何なのかについて様々な生物のゲノムを比較して実験的に明らかにしていきたいと考えています。

代表的な研究業績

Fujimori C, Umatani C, Chimura M, Ijiri S, Bando H, Hyodo S, Kanda S. In vitro and in vivo gene transfer in the cloudy catshark Scyliorhinus torazame. Dev Growth Differ. 2022
Ogiwara K, Fujimori C, Takahashi T. The PGE2/Ptger4b pathway regulates ovulation by inducing intracellular actin cytoskeleton rearrangement via the Rho/Rock pathway in the granulosa cells of periovulatory follicles in the teleost medaka. Mol Cell Endocrinol. 2023 Jan 15;560:111816.
Fujimori C, Ogiwara K, Hagiwara A, Takahashi T. New evidence for the involvement of prostaglandin receptor EP4b in ovulation of the medaka, Oryzias latipes. Mol Cell Endocrinol. 2012 Oct 15;362(1-2):76-84.
Fujimori C, Ogiwara K, Hagiwara A, Rajapakse S, Kimura A, Takahashi T. Expression of cyclooxygenase-2 and prostaglandin receptor EP4b mRNA in the ovary of the medaka fish, Oryzias latipes: possible involvement in ovulation. Mol Cell Endocrinol. 2011 Jan 30;332(1-2):67-77.
学位博士(生命科学)
学歴・職歴2008年 北海道大学理学部生物科学科卒業
2013年 北海道大学大学院生命科学院生命システム科学コース修了
2013-2016年 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 特別協力研究員
2016-2017年 名古屋大学大学院理学研究科 研究員
2017-2018年 東京大学大学院理学系研究科 特任研究員
2019-2022年 東京大学大気海洋研究所 特任研究員
2022-2023年 自然科学研究機構 基礎生物学研究所 特任研究員
2023年- 北海道大学大学院理学研究院 助教
所属学会日本動物学会, 日本比較内分泌学会
居室理学部5号館 5-1006室

生物科学部門 生殖発生生物学分野

藤森 千加

助教

basic_photo_1
研究を通して叶えたい夢は何ですか?

現在、生殖に関連するホルモンの進化について研究を進めていますが、新しい発見があったときのワクワク感を、一緒に研究する仲間と分かち合いたいです。また、実験や仮説の検討、克服すべき課題についての悩みや喜びも共有したいと考えています。

basic_photo_1
研究者になったきっかけは何ですか?

もともと生き物が好きでしたが、高校の先生や予備校の先生が話す生物学の原理原則やそれらを解明するプロセスに魅了され、漠然と研究活動とはどんなものなのか、研究をしてみたいという気持ちで北大に入学しました。研究は、以前に私が思い描いていたよりも地味な作業が多く、予期せぬ困難に直面することもたくさんありますが、一つ一つの結果を積み上げて未知のことを明らかにしていく過程は非常に魅力的です。

basic_photo_1
オリジナルなエピソード

あるベテランの先生が言った「研究は人です」という言葉は、私にとって非常に印象的でした。生物科学の分野は日進月歩で、単独で研究を成し遂げることは難しいです(実際に、単著の研究論文は今ではほとんど見られません)。したがって、他の研究者と協力して研究を進めていくことになります。ラボメンバーをはじめ、多くの研究者とコミュニケーションをとり、信頼関係を築くことが研究の発展につながり、私の夢であるワクワク感を共有するための道だと信じています。

ラボメンバーの集合写真(前から2人目)
basic_photo_1

所属・担当