研究ニュース

220Kまで局在するクーパー対を発見高温超伝導の理解につながるボースグラス状態を実証

【ポイント】

  • 約220Kの高温まで局在したクーパー対の存在を示すボースグラス状態を実証。
  • β関数スケーリング解析により、新しいボソン局在状態を明らかに。
  • 高温超伝導体の電子状態の理解に新たな視点。

【概要】

北海道大学大学院理学研究院の延兼啓純助教らの研究グループは、ルテニウム酸化物Ca₂RuO₄ナノ薄膜において、電子対(クーパー対)が約220Kという高温まで局在した状態で存在することを示すボースグラス状態を発見しました。これまでボースグラス状態は主に極低温で研究されてきましたが、強い電子相関を有する酸化物で高温まで存在するかは明らかになっていませんでした。

研究グループは、膜厚を精密に制御したナノスケール試料の電気輸送測定とβ関数スケーリング解析を行い、電子が局在するフェルミグラス状態と、クーパー対が局在するボースグラス状態を明確に識別しました。さらに、超伝導相・ボースグラス相・強局在相を結ぶ新しい電子相図を構築するとともに、電子相関、RuO₆八面体の構造変化、低次元性が協調して電子の基底状態を決定することを明らかにしました。

本研究は、高温で局在するクーパー対の存在を示す新しい知見を提供するとともに、高温超伝導体である銅酸化物やニッケル酸化物で議論されている超伝導前駆状態や擬ギャップ状態を理解する新たな視点を与える成果です。高温超伝導発現機構の解明や、新しい量子材料の設計指針につながることが期待されます。

なお、本研究成果は、2026年9月16日(水)公開のCommunications Materials誌にオンライン掲載されました。

【論文情報】
論文名:Bose glass in Ca2RuO4 nano
URL:https://doi.org/10.1038/s43246-026-01325-4

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