研究トピックス
最近の論文から
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2025.01.21最近の論文からアタマをつかった紫外線対策 ―メダカは脳下垂体で紫外線を感じ、身体を黒くして紫外線を防ぐ―【概要】 北海道大学理学部の藤森千加助教(前東京大学所属)は、東京大学大気海洋研究所の神田真司准教授、岡山大学学術研究院医歯薬学域の佐藤恵太助教らとともに、東京大学大学院理学系研究科、京都大学、神戸薬科大学と共同で、メダ...
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2025.01.07最近の論文からセントロメア特異的な転移を示すレトロトランスポゾンのメカニズムを解明 —伊藤秀臣准教授らの研究が科学誌「Nature」に掲載 —形態機能学系の伊藤秀臣准教授は、東京大学の角谷徹仁教授や塚原小百合特任研究員らと共同で、セントロメアの速い進化を促進するレトロトランスポゾンの特異的な挿入機構を解明しました。セントロメアは染色体分配に関与する重要なゲノム...
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2024.12.26最近の論文から理学部図書室司書の方のご協力によりヒモムシの古い学名の正体が判明!現代の生物分類学はかつて博物学natural historyと呼ばれていた学問分野の系譜を引き継いでおり、その歴史は18世紀にその基礎を形作ったカール・フォン・リンネCarl von Linné(カロルス・リンナエウスC...
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2024.11.20最近の論文からイルカの赤ちゃんは母乳の味を感じている? ~母乳の脂肪分を感じる味覚受容体の存在をイルカで発見~【ポイント】 ・イルカの乳児の舌に、脂肪味受容体や脂肪分解酵素の遺伝子が発現していることを発見。 ・イルカの母乳には豊富で良質な脂肪酸が含まれており、イルカ乳児は識別できることを確認。 ・鯨類では退化していると考えられて...
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2024.09.17最近の論文から食卓からもたらされた新発見—海生ハリガネムシの新たな寄生相手を報告多様性生物学系の角井敬知講師が,一般の方から提供を受けたサンプルをもとに,オオズワイガニに寄生するハリガネムシを初めて報告する論文を発表しました。 ハリガネムシは類線形動物門に属する動物の総称で,カマキリの...
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2024.09.02最近の論文から他魚種の追星を食べるアフリカンシクリッド魚類を発見~コイ科魚類の追星(恋のシンボル?)を主食とする奇妙な習性を初記載~ポイント ●アフリカ東部のマラウイ湖に棲むシクリッドの一種が、コイ科魚類の追おい星ぼしを主食とすることを解明。 ●追星を摂食する食性は、他の魚類でも記載の無い新発見。 ●摂餌戦略のユニークな進化の例として、生物多様性の理...
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2024.08.07最近の論文から寄生性甲殻類の一群「ワラジヤドリムシ科」を日本から初めて報告多様性生物学系の白木祥貴さん(理学院博士課程2年)と角井敬知講師の研究グループが,日本からこれまで報告のなかった「ワラジヤドリムシ科」という寄生性甲殻類を神奈川県と沖縄県の浅海域から発見,論文として発表しました。 ワ...
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2024.06.21最近の論文から異種間交配によって学習能力が拡張することを発見~神経行動学版「トンビが鷹を生む」:子のほうが親よりも学習能力が高い(理学研究院 教授 和多和宏)ポイント ●鳴禽類スズメ目の歌鳥は、他種の歌よりも自種の歌を学びやすい傾向を持つ。 ●歌鳥2種を交配したハイブリッド個体は、親種ではできない、親種両方の歌を学ぶ能力を持つ。 ●ハイブリッド個体の脳内では、両親種とは異なる...
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2024.05.31最近の論文からコアラのユーカリの好みは腸内細菌と関係している~母親を介して受け継がれた腸内細菌が生み出すコアラの好き嫌い~ポイント ・日本の動物園で飼育されているコアラにおいて、遺伝とユーカリの好みと腸内細菌を調査。 ・コアラは複数種あるユーカリを選んで食べており、遺伝的背景や腸内細菌と強く関係。 ・腸内細菌を調べて適切なユーカリを選ぶこと...
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2024.04.24最近の論文から遺伝子発現における翻訳制御の重要性を解明遺伝子発現における翻訳制御の重要性を解明 ~日周的な遺伝子発現を司る新たなメカニズムを提案~ ポイント ・明暗条件下におけるmRNA量・翻訳量の時系列データの取得に成功。 ・日周変動パターンを示す遺伝子の7割が翻訳制御...
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2024.04.24最近の論文からダイズ根圏細菌のイソフラボン代謝遺伝子クラスターを発見ダイズ根圏細菌のイソフラボン代謝遺伝子クラスターを発見 ―根圏形成メカニズムの理解や有用物質生産に貢献― 概要 イソフラボン類は、豆腐や味噌などのダイズ食品に含まれており、私たちが日常的に摂取する植物特化代謝産物です。...
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2024.03.07最近の論文からピラニアが示した進化のシナリオ ―古典的形質を維持していた生物から得られたGnRHパラログ進化の仮説―【概要】 北海道大学理学部の藤森千加助教(前東京大学所属)は、東京大学大気海洋研究所海洋生命科学部門の神田真司准教授グループとの共同研究により、GnRH神経系(注1)において発現し、排卵制御の鍵となるGnRHパラログ(注...