
2026年7月24日、北海道大学大学院理学院 優秀研究奨励賞の授賞式が執り行われました。
この賞は、理学に関する優れた研究を推進する学生を表彰し、研究の更なるステージアップを支援することを目的に、博士後期課程学生1年生及び2年生を対象として平成30年4月に設けられました。
今年度は数学専攻5名、物性物理学専攻4名、宇宙理学専攻4名、自然史科学専攻6名の計19名が本賞を受賞しました。会場となったのは90年の歴史がある理学部本館大会議室です。19名の受賞院生(7名欠席)に対し、久保英夫理学院長が祝辞を述べた後、一人一人に賞状が手渡されました。

久保英夫理学院長からの祝辞
本日は理学院優秀研究奨励賞の受賞、誠におめでとうございます。
今回の受賞は、皆さんがこれまで地道に研究を積み重ねてきた成果にほかなりません。研究は必ずしも思い描いたとおりに進むものではありませんが、その中で成果を挙げられたことに心から敬意を表します。またこの受賞は指導教員や研究室の仲間、日々支えてくれているご家族の存在があってこそ得られたものです。研究は個人の活動でありながら、多くの人とのつながりの中で成り立つものです。ぜひ周囲への感謝の気持ちを大切にしてください。
近年、世界情勢の変化は学術にも影響を及ぼしています。そのような中で、理学研究の根幹である客観性と再現可能性を大切にしながら研究を進めてほしいと思います。また、指導教員から学んだ知識や研究姿勢を土台としつつ、さらに自ら問いを立て、自分自身の視点や視座を築いていってください。
今回の受賞は、皆さんの努力を示す確かな実績です。この賞を励みにさらに挑戦を続け、「今日が到達点ではなく出発点」という気持ちで、今後ますます活躍されることを期待しています。


令和8年度 理学院優秀研究奨励賞受賞者リスト
| 受賞者名 | 専攻等 | 研究題目 |
| 小島 瑛貴 | 数学専攻 | 高次元力学系における雑音誘起現象の解明 |
| 志方 魁 | 数学専攻 | 対称カンドルの(コ)ホモロジー群及び付随群について |
| 野田 一成 | 数学専攻 | 向き付け不可能な閉曲面上のトーラスバンドルの分類 |
| 和田 康司 | 数学専攻 | 最適輸送距離を応用したカオス的遍歴の統計的性質の解明 |
| 渡邊 陸 | 数学専攻 | 3D粒子モデルによる皮膚の保護・病態メカニズムの力学的解析 |
| 神田 修平 | 物性物理学専攻 | メタマテリアルを利用した多極子秩序の制御と交差相関応答の開拓 |
| 査 言 | 物性物理学専攻 | 機械学習を援用した多軌道系におけるトポロジカルスピン結晶の安定化機構に関する研究 |
| 髙須 湧雅 | 物性物理学専攻 | 磁気多極子流による反強磁性体制御の理論的研究 |
| 内藤 和泉 | 物性物理学専攻 | 新規希土類化合物の開拓によるスキルミオンホストの物質的多様性の検証 |
| 髙橋 聖輝 | 宇宙理学専攻 | 太陽系巨大氷衛星の進化過程と多様性の解明 |
| 中嶋 瑞穂 | 宇宙理学専攻 | 地上望遠鏡観測で解明するタイタン大気有機物微粒子及びヘイズ層の時間変動 |
| 西田 龍世 | 宇宙理学専攻 | 一般化対称性の理解と弦の現象論への応用 |
| 本間 雅也 | 宇宙理学専攻 | 中重領域における不安定奇核の集団運動に関する微視的理論の構築 |
| 佐藤 海斗 | 自然史科学専攻 (地球惑星ダイナミクス講座) |
気象モデルを用いた理想化実験による日本海筋状雲の機構解明 |
| 鈴木 捷太 | 自然史科学専攻 (地球惑星システム科学講座) |
支笏カルデラ形成噴火後のマグマ系再活性化プロセスの高時間解像度での復元 |
| 杉浦 寛大 | 自然史科学専攻 (地球惑星システム科学講座) |
中生代における大型海洋遊泳生物の大規模座礁現象の解明 |
| 大泉 龍太郎 | 自然史科学専攻 (多様性生物学講座) |
アカゲラと二次樹洞営巣種の巣穴を巡る種間競争の解明 |
| 関口 翔悟 | 自然史科学専攻 (多様性生物学講座) |
節足動物と固着動物の共進化仮説の検証―ウミグモ類とヒドロ虫類を例に |
| 佐藤 聡太 | 自然史科学専攻 (科学コミュニケーション講座) |
科学的説明における数学的記述が果たす機能についての存在論的・認識論的研究 |