荻原 克益准教授/OGIWARA, Katsueki
卵巣は、次世代へと命をつなぐための卵を作ります。卵巣内で十分に成長した卵は、やがて卵巣外へと放出されます。この過程を排卵といいますが、私は、この排卵が起こる仕組みについて研究しています。この仕組みが分かると様々な分野での応用が考えられます。例えば、排卵が起きないために不妊となる方が結構多いのですが、排卵の仕組みが解明されると、このようなケースを改善することができるかもしれません。他にも、家畜の排卵を調節することで、より多くの家畜を容易に生産できるようになることも考えられます。
大きな社会的関心事になっている環境ホルモンやクローン生物、不妊治療、人工繁殖といった問題はいずれも生殖生物学における主要な研究課題です。ところが、これらの問題を含めて、まだまだ未解明な問題が山積み状態なのが現状です。これらの問題にチャレンジしてみたい人、生殖の研究をしてみたい人、一緒に研究をしてみませんか。意欲溢れる皆さんと研究できることを楽しみにしています。
参考文献
- 「排卵酵素―排卵研究の歴史とメダカ排卵酵素の同定」
化学と生物 45巻(9号)655-658. (2007) - 「生殖医学に役立つメダカの排卵研究」
バイオサイエンスとインダストリー とインダストリー 63巻(12号)767-772. (2005)
排卵
有性生殖をする動物では、卵巣で卵が作られます。この卵が精子と出会うためには、卵は卵巣から放出されることが不可欠です。卵が卵巣から放出される過程が排卵です。
受精可能な卵が、卵巣外へ放出される過程が排卵です。卵の成長、受精能の獲得、そして排卵という卵巣内の一連の過程において、排卵という現象は、卵巣における最後のクライマックスイベントです。(荻原克益)
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プロテアーゼ
タンパク質を分解する酵素(タンパク質分解酵素)です。タンパク質をターゲットとして、(タンパク質の材料である)アミノ酸レベルまで細かく切り刻むものからある特定の部分だけを切断するものまで様々なプロテアーゼが存在します。(荻原克益)
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卵巣
有性生殖をする動物では、卵と精子はそれぞれ異なる器官で作られます。卵を作ることに特化した役割をもつ器官が卵巣です。これに対して、精巣は、精子を作るはたらきに特化した器官です。
他にも様々な機能がありますが、次世代に生殖細胞(卵)を提供することが卵巣の最大の使命です。卵の提供により、次世代へと命が受け継がれます。(荻原克益)
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濾胞
卵を包んでいる袋状の構造体を濾胞と呼び、卵は濾胞の中で成長します。卵巣は、この濾胞が多数集まりブドウのようなかたちをしています。(荻原克益)
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