長里 千香子教授/NAGASATO, Chikako
コンブ、ワカメ等が含まれる褐藻類を主な研究材料として、生殖細胞からの発生について研究を行っています。褐藻類は、不等毛植物門というグループに属しますが、その中でも非常に複雑な体制と生活環を有しています。褐藻の複雑な形態は、どのように細胞分裂時に制御され、生み出されているのか、その際の細胞内小器官の分配はどのようになっているのかについて、接合子や無性生殖細胞からの発生に焦点をあて、研究を進めています。
海藻類は、見るに楽しい、食べるに美味しい、研究するにも面白い材料です。一年の中で次々に姿を替えることも、大海の中で配偶者を見つけ出す巧みなメカニズムも、とても興味深い現象です。海藻の持つユニークな現象や、海洋環境における重要性について興味を持ってもらえたらとても嬉しいことです。
参考文献
- Nagasato, C. et al. (2010) Membrane fusion process and assembly of cell wall during cytokinesis in the brown alga, Silvetia babingtonii(Fucales, Phaeophyceae). Planta 232: 287-298.
- Cock, J. M. et al. (2010) The Ectocarpus genome and the independent evolution of multicellularity in the brown algae. Nature, 465:617-621.
- Nagasato, C. and Motomura, T. (2009) Effect of latrunculin B and brefeldin A on cytokinesis in the brown alga, Scytosiphon lomentaria(Scytosiphonales, Phaeophyceae). Journal of Phycology 45:404-412.
- Nagasato C. and Motomura T. (2002) New pyrenoid formation in the brown alga, Scytosiphon lomentaria (Scytosiphonales, Phaeophyceae). Journal of Phycolgy 38:800-806
- Nagasato C. and Motomura T. (2002) Influence of the centrosome in cytokinesis of brown algae: polyspermic zygotes of Scytosiphon lomentaria (Scytosiphonales, Phaeophyceae). Journal of Cell Science115:2541-2548
海藻類
肉眼で認識できる藻類で、体色の違いから緑藻・紅藻・褐藻の3つのグループに大別されます。体色の違いは葉緑体に含まれる光合成色素の違いによりますが、特に補助色素の含有量の違いによって生じています。(長里千香子)
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細胞質分裂
細胞の分裂には、遺伝情報の複製、分離、細胞質の分裂過程があります。中でも、細胞質分裂は多様な形態を持った多細胞生物の形態形成にとって、細胞の多様性を生み出すために、厳密に制御されなければならない重要な過程です。(長里千香子)
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中心体
一対のセントリオール(中心粒)と呼ばれる構造とその周辺物質からなり、微小管を発達させるコア(核)となります。動物細胞においては、紡錘体(染色体を分離させる装置)形成に関わりますが、陸上植物の細胞には存在しません。ところが、海藻類の一部では、細胞内に中心体を有するものが存在します。(長里千香子)
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