千頭 康彦助教/CHIKAMI, Yasuhiko
広く動物を見渡してみますと、例外もあるものの、多くがオスとメスという性をもち、有性生殖で子孫を残していきます。「性」という現象の普遍性とその重要性を思うと、その仕組みもまた種間で共通していると期待されます。しかしながら、性を決める仕組みは動物のグループ間で驚くほど異なります。なぜ、どのようにして、そしてどれほど性決定メカニズムは異なっているのでしょうか。私は、この謎を昆虫類、特に比較的早くに登場したグループであるシミ類やゴキブリ類、に着目して解き明かすことを目指しています。現在の主なテーマは 1) 昆虫類の性決定遺伝子が性決定機能を獲得する以前の機能の推定、2) XO 型の性染色体システムをもつ昆虫類の性決定メカニズムの解明、です。これらを通じて昆虫類の性決定メカニズムの多様性と進化の歴史を辿ることを試みています。


19世紀に活躍した博物学者のルイ・アガシー Louis Agassiz による著名なフレーズに「Study Nature, not Books」というものがあります。知識を大切にしつつ、先入観を捨てて、自身の眼で自然に向き合い経験・観察することの重要性を説いた言葉です。研究をしていると、まさにその通りだなと感じることがあります。自分の手や眼を使って実験や観察をしてみると、自分の予想が裏切られるような経験をすることが少なくありません。私は、この「予想外 unexpected」との出逢いが楽しくて仕方ありません。それだから科学や研究はやめられません。研究を通じて、自然の中の未知の世界を自分自身で体験してみましょう。
参考文献
昆虫
全生物種の半数以上を占め、最も成功し繁栄しているグループです。体は頭・胸・腹に分かれており、胸には脚と翅があります(翅のないものや退化したものあり)。種類が多く、極地から熱帯、地中・地上・水中など様々な環境に適応し多様化しています。(滝谷重治)
我々が現在認識している生物種全体の半分以上の割合を占める多様な生物群です。彼らの進化の道筋を解明することは、自然界における生物多様性の起源の相当部分を説明すると期待されます。(加藤徹)
昆虫の種数は全動物種の2/3に及びます。昆虫は地球上で最も繁栄している動物群です。私は、その繁栄の秘密の一端は、小さくても精妙なその脳の働きにあると考えています。(水波誠)
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進化
生物は遺伝情報を持ち、そこには新しい変異が絶え間なく生じます。そこにはゲノムの柔軟性が関与し、遺伝子は様々な原因で変化します。また、新しい環境を生き抜くため、新しい変異が集団中に広がり、種は形態、機能的に変化します。(鈴木仁)
生物が長い時間の間生命を受け継いでこられたのは進化の仕組みがあったおかげですし、そもそも生物の誕生も進化によるものです。多様な生物も進化の産物であり、生物の進化の歴史を知ることは生物分類にとって大変重要です。(小亀一弘)
エビもカニもミジンコも、5億年くらい前には1種類の動物でした。時間とともに小さな変化が積み重なって進化したことは確かなのですが、どのようにして小さな変化が起こり、大きな変化になるのかを研究するのが進化学です。
コケムシ類は化石記録も豊富にあるため、包括的な進化研究の格好の材料といえます。(マシュー・ヒル・ディック)
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性決定
オスとメスが別個体でいる生物では、性を決める必要があります。生物によっては、環境によって性が決まるものと、遺伝子によって性が決まるものがいます。(黒岩麻里)
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性的二型
雌雄間において、形態や行動に差異がみられること。ヒトでいえば、声変わりの有無、平均身長の差などもこれにあたる。鳥では、歌行動や装飾的な形態形質などにみられることが多い。(相馬雅代)
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性分化
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遺伝子機能
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