鳥類の免疫遺伝子が配偶者選択に影響する
2020.04.27
関連教員
多様性生物学系の高木昌興教授の研究グループは、鳥類において免疫遺伝子であるMHCが配偶者選択に影響を与えるという非常に興味深い発見をし、論文発表しました。詳細は北大のプレスリリースでも見ることができます。
鳥類の生態学・生活史進化の研究には、個体レベルで繁殖成功を長期的に追跡した個体群を用いる必要があります。髙木先生の研究グループは、2002年から現在に至る19年間にわたり、沖縄県南大東島でリュウキュウコノハズクの固有亜種ダイトウコノハズクの研究を続けています。この論文では、その長期データとMHC、すなわち免疫に関する遺伝子を合わせて解析をしました。その結果、鳥類では実証例がほとんどない、MHCによる性選択の様相の一部が解明されました。
南大東島のリュウキュウコノハズク(亜種ダイトウコノハズク)のヒナ。色の定量化のためにカラーチャートが写し込まれている。
発表論文:Sawada A., Ando H., Takagi M. (2020) Evaluating the existence and benefit of major histocompatibility complex‐based mate choice in an isolated owl population. J. Evol. Biol. 33: 762-772. [https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/jeb.13629]