35億年ものあいだ地球生物圏を陰で支えている微生物
森川 正章教授/MORIKAWA, Masaaki
環境分子生物学系
地球上のさまざまな環境から新しい微生物を発見し、それらを材料として生命の進化戦略や環境適応機構を探求するとともに環境保全に役立つバイオ技術基盤の構築を目指しています。
具体的には油田細菌、海洋細菌、超好熱性アーケア、好冷菌、根圏微生物などを研究対象としています。また、一個の細胞だけではなく固体表面に付着した細菌群集(バイオフィルム)についても調べています。研究室の合言葉は『微生物ってほんまにすごいなあ~』です。
研究生活を通して、社会人として必要なモラルとチームワークを教育します。勉強も大切ですが、できる限り個性を生かせるよう配慮します。すなわち、チャレンジングな人もコツコツ型の人も歓迎です。がんばった人には、海外を含む学会研修旅行を通して、日常とは違う経験もしてもらいます。さらに、留学生との交流も国際意識の涵養に役立つことを期待しています。
参考文献
- 「環境修復の科学と技術」 北海道大学大学院環境科学院編 (北海道大学出版会)
- 「バイオフィルムの基礎と制御」 (エヌティーエス出版)
- 「バイオフィルム -微生物だってひとりじゃ生きてゆけない」 化学と生物, 41, 32-37 (2003) (日本農芸化学会)
バイオフィルム
微生物が自然に存在する状態のひとつで、固体表面に付着した微生物群集が形成する構造体を指します。細胞自身と多糖類などの細胞外高分子物質からできている、いわゆる川底や排水管のヌメリです。単独の浮遊細胞とは異なる性質を発現して、さまざまな環境ストレスから保護されています。(森川正章)
閉じる
微生物
肉眼では観察できないような微小生物の総称です。原核生物はすべて微生物であり、真核生物でも単細胞性の藻類や菌類および原生動物などは微生物に含められることが多い。ただし、ウィルスについては議論があり、自己増殖できないことから生物としない場合もあります。(森川正章)
閉じる