深海底や高山から新種の生物を発見
多様性生物学系の角井敬知先生のグループは,深海底や高山での調査を行い,新種のウミナナフシやカイミジンコを発見し,論文を発表しました。
深海底に潜む小型生物の多様性については,採集の難しさに加え,当該生物の正体を明らかにできる専門家が多くないことから特に理解が遅れています。
また,高山帯には過酷な環境に適応した生物や氷河期の遺存種などユニークな生物が生息しており,それらには各高山帯の固有種も多く含まれていますが,未解明な点が多い状況です。
こうした生息域での研究が進むことで,今後も新たな生物種の発見が予想されると共に,多様な生物種の進化や保全という観点でも貴重な情報が得られることが期待されます。
詳しくは,北大プレスリリース記事もご覧下さい。
・深い海の底からアシタラズのウミナナフシの新種を発見
・大雪山系標高1850mから新種のカイミジンコを発見
発表論文:Shoki Shiraki, Michitaka Shimomura, Keiichi Kakui (2022) A new neotenous genus and species, Deltanthura palpus gen. et sp. nov. (Isopoda, Anthuroidea, Paranthuridae) from Japan, with a revised key to all genera in Paranthuridae. Zoosystematics and Evolution, 98:109-115. DOI: 10.3897/zse.98.81772
発表論文:Mizuho Munakata, Hayato Tanaka, Keiichi Kakui (2022) Taxonomy and natural history of Cavernocypris hokkaiensis sp. nov., the first ostracod reported from alpine streams in Japan. Zoosystematics and Evolution, 98:117-127. DOI: 10.3897/zse.98.80442