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DigitalBlast、宇宙での植物栽培に向け北海道大学 藤田知道研究室との共同研究開始 擬似的な弱重力環境で植物を栽培、ゲノムレベルでの変化を探る

小型ライフサイエンス実験装置の開発や宇宙産業の活性化・新事業創出をサポートする株式会社DigitalBlast(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:堀口真吾、以下DigitalBlast)は、このたび、北海道大学大学院理学研究院・藤田知道研究室と共同で、火星を模擬した環境下での植物メカニズム研究とその実用化に向けたプロジェクト(テラフォーミング*1プロジェクト)を開始する運びとなりましたので、お知らせいたします。

【共同研究のテーマと内容】

  • テーマ
    月と火星を模擬した疑似弱重力下でのヒメツリガネゴケの細胞レベルおよび個体レベルにおける重力応答メカニズム解明にむけて
  • 研究の目的
    疑似弱重力環境を生成して植物を栽培することにより成長制御の鍵となる新規な遺伝子群を見出し、その制御網を解析することで、重力による成長調節がどのような分子機構により制御されるのかを明らかにします。そして、植物の重力応答統御システムの全貌解明に迫ることを目的とします。
  • 研究内容
    月や火星などの地球外環境は1Gよりも小さな重力環境にありますが、これまでの過重力栽培実験や、ISSの日本実験棟「きぼう」船内を利用した微小重力(μG)宇宙栽培実験によって、重力の大きさに応じて光合成活性や成長量(バイオマス)を増加させる可能性のある転写因子の存在が明らかにされつつあります。
    本研究では、新しい3D-クリノスタット*2制御技術を開発することで、月の重力である1/6Gあるいは火星の重力である 1/3G に相当する偏差を生じさせてこれらの転写因子の機能や作用機序を詳細に調べ、その分子制御機構を解明し、月面での農業活動における植物への影響の評価に取り組みます。

用語説明:
*1 テラフォーミング:地球以外の天体の環境を人類の生存に適した環境に改変することを指す。環境改変の技術は地上の緑化など、地球環境問題の解決に活かすこともできるとされている。
*2 3D-クリノスタット:3次元的な回転により連続的に重力の方向を変化させることで、重力環境を変化させる装置。回転軌道を変えることで、擬似的に微小重力(μG)など任意の重力環境を作り出すことができる。

詳細はプレスリリースをご覧下さい。