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偏微分方程式セミナー: クリスタライン曲率流によるスパイラル成長の最適化運動アプローチ, 大塚

Event Date: Nov 20, 2020

開催日時

2020年11月20日 16時 30分 ~ 2020年11月20日 17時 30分

場所

オンライン開催

講演者

大塚 岳 氏 (群馬大学)

曲率流方程式は、法速度が表面エネルギーの第一変分で定まる勾配流として導出される。この表面エネルギーの密度関数として凸な区分的一次関数を与えると、曲率一定曲面が閉凸多角形となる、クリスタライン曲率流方程式が導出される。この方程式は結晶成長に見られる多面体構造を説明するものとして導入されるが、他方でPDEによる定式化方では微分不可能な密度関数の第一変分を考えることとなる。この問題に対し、Chambolleが2004年に符号つき距離関数を用いた等高線法を用いて、離散化した各時間ステップごとに最適化問題を解く変分的アプローチを導入した。
本講演では2次元平面の有界領域上で、クリスタライン曲率流方程式により成長する渦巻状ステップについて考察し、Chambolleの方法に基づいた数値解法を導入する。ただし、渦巻曲線に対しては符号つき距離関数をそのまま用いることはできないので、曲線の管状近傍で距離関数を構成する方法と、一般の等高線関数をそのまま用いる方法を紹介する。
本研究はテキサス大学オースティン校およびスウェーデン王立工科大学のY.-H. R. Tsai氏との共同研究による。

世話人:黒田 紘敏、浜向 直