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偏微分方程式セミナー: Combined effect関する一次元非線形波動方程式の一般論の改良, 髙松

Event Date: Jan 12, 2024

Time:16:30-17:30

Place:理学部4号館4-501室 (hybrid)

Organizer:黒田 紘敏、浜向 直

Speaker:髙松 脩 氏 (東北大学)

Title:Combined effectに関する一次元非線形波動方程式の一般論の改良

Abstract:空間一次元において, 小さい初期値と一般の非線形項をもつ波動方程式を考える. ここで, 方程式の古典解の最大存在時間をLifespanと呼ぶ. 一般論では一般的な多項式の形をした非線形項と一般の初期値に対して, 長時間存在に関するLifespanの下からの評価を詳細に分類分けすることが目的であり, Li, Yu, Zhou(1992)により結果が得られている. またその最適性は特別な単項のモデル方程式と特別な初期値を考えることでZhou(1992, 2001)によって示されている. しかし, 非線形項を2種類の和の形にすることで, それぞれ単項の場合のLifespanの最小値より更に短くなるという, 高次元では知られていたCombined effect と呼ばれる現象が, 空間1次元では初期速度の全空間での積分量がゼロの場合に起こることが最近になってわかった. そしてそれと同時に既存の一般論は分類不足であり, 改良の可能性があることも明らかとなった. 今回実際に, 30年以上も改良の余地がないと信じられてきた一般論を改良することができたので, 本講演ではそれを紹介する.