Geometry Colloquium: BCOV-Zinger公式に対する摂動論的アプローチ（秦泉寺雅夫）

Time： 16:30 – 18:00

Place：理学部3号館3-204

Speaker：秦泉寺雅夫氏（岡山大学 環境生命自然科学学域 教授）

Title: BCOV-Zinger公式に対する摂動論的アプローチ

Abstract：タイトルで言うBCOV-Zinger公式とは、複素n次元カラビ‐ヤウ多様体の種数1の グロモフ‐ウィッテン不変量の母関数を、ミラー対称性を用いて超幾何級数で表す公式である。 その公式は、ミラー対称性で言うB模型の情報から得られる母関数（B模型的母関数）をミラー写像による座標変換で翻訳してグロモフ‐ウィッテン不変量の母関数(A模型的母関数)が得られる という形式を取っている。
本講演では、ここで言うB模型的母関数の展開係数を、ファインマンダイアグラムから得られる 多変数複素留数積分の和として書き表す公式(予想)を紹介する予定である。その背景にある着想 は、「種数1の擬写像のモジュライ空間上の積分に固定点定理を適用する」と言うものであるが、 公式の幾何的導出はまだ得られていない。また、講演ではこの予想の複素射影空間の種数１の グロモフウィッテン不変量の母関数への拡張についても議論する。なお、この場合のB模型とは、 私が以前構成した2+n点付きのCP^1からCP^{N-1}への擬写像のモジュライ空間を用いて構成され た交点数の母関数を用いて定義される。
なお、本研究は香川高専の桑田健氏との共同研究である