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偏微分方程式セミナー: On the optimal decay estimate for solutions to the generalized KP–Burgers equation in 2D, 福田 一貴

Event Date: Oct 21, 2022

Time:16:30-17:30

Place:online

Organizer:黒田 紘敏、浜向 直

Speaker:福田 一貴 氏 (信州大学)

Title:On the optimal decay estimate for solutions to the generalized KP–Burgers equation in 2D

Abstract:本講演では, KdV方程式の二次元版として知られる, KP-I方程式とKP-II方程式において, その非線形項を一般化し, $x$方向の散逸項を加えた, 一般化KP–Burgers方程式の初期値問題を取り扱う. 特に, 大域解の時間減衰評価について考える. この問題の最大の特徴は, 方程式の持つ空間異方性である. 具体的には, 散逸項により$x$方向には放物型方程式の構造を持つ一方, $y$方向の分散性の影響も無視できず, ある意味では分散型方程式としての性質も併せ持つという構造をしている. この空間異方性が放物性と分散性の相互作用を生み出し, 解の構造にも本質的な影響を与える. その結果, 時間減衰評価については, 放物型方程式や分散型方程式での既知の評価と全く異なるものが得られる. 実際, Molinet(1999)の先行研究では, 初期値に空間異方的な正則性の条件を課すことで, 解の上からの評価が導出されており, 解の$L^{\infty}$-ノルムが$t^{-7/4}$のオーダーで減衰することが知られている. 本研究では, 先行研究と同様の条件で, 解の下からの評価を導出し, 先行研究で得られた解の評価の時間減衰オーダーが最良であることを示したので, その結果を紹介する. 証明は対応する積分方程式を直接解析することで行うが, その際には線形解の評価が重要となる. 正確には線形化作用素の構造を捉えるのがポイントで, それを踏まえてDuhamel項の積分を分割し, 解の主要部を抜き出すことが鍵となる. なお, 本講演の内容は宮崎大学の平山浩之氏との共同研究に基づく.