偏微分方程式セミナー: Predator-prey型反応拡散方程式のコンパクトな台をもつ初期値に対する解の広がり速度, 森 龍之介 氏

Time：16:30-17:30

Place：online

Organizer：黒田 紘敏、浜向 直、古屋 貴士

Speaker：森 龍之介 氏 (東京工業大学)

Title：Predator-prey型反応拡散方程式のコンパクトな台をもつ初期値に対する解の広がり速度

Abstract：Predator-prey型方程式とは、自然界における捕食・被食関係にある2種の生物群の個体数密度の時間発展を数学的に記述するモデルである。Ducrot-Giletti-Matano (2019)は、被食者と捕食者がどちらも初期時刻においてコンパクトな台を持つとき、被食者と捕食者の分布域の拡大する速さがそれぞれ、一定の速さに漸近することを示した。また、彼らは、被食者の広がり速度が捕食者の広がり速度より大きいかあるいは一致することを示した。
　本講演では、被食者の広がり速度が捕食者の広がり速度と一致する場合を考察する。Ducrot-Giletti-Matano (2019)による広がり速度の漸近評価をより精密にすることで、被食者と捕食者の分布域の拡大速度に違いが生じるかどうか、生じるとしたらどの程度の違いなのか解析する。