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偏微分方程式セミナー: 遺伝子内転写制御因子を持つ RNA ポリメラーゼ II 転写ダイナミクス連続モデル, 辻本 陽斗

Event Date: Apr 17, 2026

Time:16:30 – 17:30

Place:理学部 4 号館 4-501 (hybrid)

Organizer:喜多 航佑

Speaker:辻本 陽斗 氏 (北海道大学)

Title:遺伝子内転写制御因子を持つRNAポリメラーゼII転写ダイナミクスの連続モデル

Abstract:RNAポリメラーゼII(Pol II)による転写過程では、遺伝子内に存在する転写制御因子がPol IIの進行に影響を与えると考えられている。本講演では、このような遺伝子内転写制御を記述するために、Pol II密度を記述する移流拡散型方程式と、転写制御因子の時間発展を記述する常微分方程式からなる連続モデルを提案する。モデルでは、転写制御因子がPol IIの進行速度を抑制する一方、Pol II密度が局所的に増大すると転写制御因子が減衰するという双方向の相互作用を導入する。数値シミュレーションでは、転写制御因子の初期空間分布としてピークを持たない場合や複数の局在ピークを持つ場合を比較し、その違いがPol IIダイナミクスに与える影響を調べる。特に、Pol IIの前線が各ピークで一時的に停滞したのち、ピークの逐次的な減衰に伴って段階的に進行するという特徴的なダイナミクスが見られる。これらの観察を通して、遺伝子内転写制御因子を動的な障害物として捉える連続モデルの有効性と、現時点でのモデルの限界について述べる。本講演は田﨑創平氏(北海道大学)との共同研究に基づいている。