研究テーマ | 非線形発展方程式のダイナミックな解挙動の数理解析を行う. |
研究分野 | 非線形解析, 漸近解析, 反応拡散系 |
キーワード | パターン形成, 局在解, 進行波 |

最近行き詰まり放しで打開方法が見えませんが、昔うまく切り抜けたことがありましたので、私自身の息抜きも兼ねてその成功談を一つ紹介したいと思います。
そのときはある問題の証明を考えていて、 解決のためのヒントを得ようと他の文献を調べて使えそうな方法を試したりしましたが、どうもうまくいきませんでした。そこで他の論文を調べたり読んだりするのをやめ、最初から自分の納得のいく形だけにこだわって自分の頭だけで考えることにしました。幾日もそのことを朝から寝るまで考えて夢にまで出てくるようになりました。そうしたらだんだん道が見えてきて結果を得ることができたのです。その結果は今でも私の中で一番いい結果の一つです。今から思うと最初は他人のアイデアを借りて解決しようとしたわけですが、最終的には自分の頭で考えてかつ没頭することが本質的に重要だったのです。その経験は自分のその後の研究姿勢にも影響を与えてきましたが、同時に、そのような本当に自分でも満足する結果は、命を削る思いをしてはじめて得られるものであるという教訓にもなっています。

生命の形態を数式で表現し、将来的には予測につなげられるような理論を作りたいと思っています。現在、ショウジョウバエの視覚中枢系における形態をうまく説明できる方法が開発されつつありますが、他のもっと複雑な形態にも適用できるようにしたいと努力しています。それらがうまくいって予測ができるようになったら、その次は自由に形態を作れるようになるかもしれない、といっ たふうに夢が膨らんでいきます。


ニュートンやオイラー、フーリエ、アインシュタインなど誰でも知っている人物を挙げますが、彼らに共通するのは、厳密な証明はさておき、後世に残るような斬新な概念を提案したり強力な計算手法を開発したりしたことです。例えばニュートンは微積分学を創設し、自然現象を数式で表現するための基礎を作りましたが、それらの手法に数学的な正当性が与えられたのは100年近く経ってからでした。私自身、彼らのように全く新しい考えに基づく全く新しい概念や手法を発見・開発することが夢です。