研究テーマ | 原子核を記述する理論を構築し、数値シミュレーションを駆使することで、宇宙に存在する元素の起源に迫る研究を行っています。また、原子核反応データベースの研究開発も行っています。 |
研究分野 | 原子核構造, 天体核反応, 原子核反応データベース |
キーワード | 不安定核, ハイパー核, クラスター共鳴, 元素合成, 天体核反応, 核融合反応, 分子動力学, 原子核反応データベース |
研究紹介
不安定核やハイパー核などの地球上に存在しない未知の原子核は、超新星爆発や中性子星合体などの天体現象に深く関わっており、元素の起源を知るための大きな手がかりになると考えられています。
こうした特異な原子核を研究するため、反対称化分子動力学模型を開発・拡張し、スーパーコンピューターを駆使した大規模数値シミュレーションによる研究を行っています(図「3つのヘリウム原子核の運動の数値シミュレーション」参照)。これまでに、不安定核の安定性や形状(図「不安定核の様々な形状」参照)、ハイパー核の不純物効果(図「不純物効果による原子核の性質変化」参照)などの研究を行ってきました。また最近は、恒星での元素合成に関わるクラスター共鳴の研究を始めました。
このような基礎科学研究とは別に、原子核反応データベース研究開発センター(JCPRG)を主宰し、原子核反応データベースの研究開発も行っています。JCPRGは、国際原子力機関(IAEA)を始めとする、核反応データセンターの国際ネットワークに参与しており、日本の加速器研究施設で行われた実験データを、EXFORと呼ばれる国際的に定められた規格に従ってデータベース化しています(図「113番元素“ニホニウム”のデータ」参照)。
このような研究活動を通して、原子核の基本的性質を明らかにすると同時に、原子核反応に関する知見を、工業・医療・エネルギー生産など、人類の平和的活動に役立てる事を目標にしています。
代表的な研究業績

関連産業分野
学位 | 博士(理学) |
自己紹介 | 岡山県の海沿いの町の出身です。 |
学歴・職歴 | 1997年 京都大学理学部 卒業 1999年 京都大学大学院理学研究科 修士課程修了 2002年 京都大学大学院理学研究科 博士課程修了 2002-2005年 理化学研究所 基礎科学特別研究員 2005-2006年 京都大学基礎物理学研究所 非常勤研究員 2006-2008年 日本学術振興会 特別研究員PD (筑波大学) 2008-2012年 北海道大学創成研究機構 特任助教 2012年- 現職 2017年- 原子核反応データベース研究開発センター センター長 |
所属学会 | 日本物理学会 |
プロジェクト | 文部科学省新学術領域研究「実験と観測で解き明かす中性子星の核物質」 |
居室 | 理学部2号館 2-10-08号室 |