研究者情報

フォルトウナト マルティン マリア ヘレナ

准教授

FORTUNATO, Martins, Maria Helena

マクロベントス浅海群集の生物多様性、進化、保全

生物科学部門 多様性生物学分野

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研究テーマ

軟体動物と苔虫動物を用いた捕食パターン、人間活動の影響、海洋沿岸群集における化学物質の役割の調査

研究分野軟体動物, 苔虫動物, 進化, 生態学, 生物地理学, 形態学, 環境への影響
キーワード進化, 腹足類, 二枚貝類, 苔虫動物, 捕食, 石灰化, 形態学, 海洋酸性化, アレロケミカル

研究紹介

大進化と小進化のプロセス、生物地理、そして進化生態学に興味を持ち、これまでにいくつかの生物をモデルとして、種分化と絶滅のパターンとプロセス、ならびにそれらが生物多様性の変化にどのように関連しているかを研究してきました。環境中に生息する生物の応答をより良く理解するため、現生生物と古生物学のデータを併せています。これまでに宿主・寄生者の適応と共進化、有孔虫と軟体動物の生態学と古生物学、軟体動物の捕食と被食、そして腹足類における系統と生物地理パターンを研究してきました。最近では、石灰藻、軟体動物、苔虫動物を用いて、海洋酸性化が石灰質をもつ生物に与える影響に関する研究を開始しました。また、付着性生物のアレロケミカルがもつ防御機能とその薬品としての可能性に興味を持っています。

代表的な研究業績

Quaiyum S., Fortunato H., Gonzaga L.J., Okabe S. 2018. Antimicrobial Activity in the Marine Cheilostome Bryozoan Cryptosula zavjalovensis Kubanin, 1976. J Antimicrob Agents 4(3): 178-182.
Fortunato, H. 2015. Bryozoans in climate and ocean acidification research: a reappraisal of an under-used tool. Regional Studies in Marine Science,2, Supplement, 32-44.
Fortunato, H. 2015. Mollusks: Tools in environmental and climate research. American Malacological Bulletin, 33(2): 1–15.
Fortunato, H., Schäfer, P., Blaschek, H. 2012. Growth rates, age determination and calcification levels in Flustra foliacea (L.) (Bryozoa: Cheilostomata) – preliminary assessment. In A. Ernst et al (eds.), Bryozoan Studies 2010, Lecture Notes in Earth System Sciences 143, pp. 59-74.
Fortunato, H. and Schäfer, P. 2009. Benthic communities and the role of coralline algae as structuring elements in the Panamanian eastern Pacific coast: preliminary evaluation. Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie, 253(1): 145-161.
学位理学博士
自己紹介

I am Portuguese and like to walk, read science fiction, listen to music especially fado (Portuguese traditional song), Bach and Rachmaninoff

学歴・職歴1983 Msc, Invertebrate Zoology, Simferopol State University, Russia;
1987 PhD, Invertebrate Zoology, Moscow State University, Russia;
1988-2006 Staff Scientist at Smithsonian Tropical Research Institution (Washington DC / Panama);
2006-2011 Visiting Researcher, Institut für Geowissenschaften at Kiel University (Germany);
2011- Hokkaido University
所属学会Society for the Study of Evolution, American Malacological Society, UNITAS Malacologica, Bryozoological Society
居室理学部5号館 5-511

生物科学部門 多様性生物学分野

フォルトウナト マルティン マリア ヘレナ

准教授

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研究者になったきっかけは何ですか?

私にとって科学とは自然界とその中における私達の役割を理解するための道具であり手段です。科学者になることは若い頃からの夢でした。問題は「どの分野で?」ということでした。自然の働きに関連するもの全てが「とても」興味深いからです!

ある時期私は癌研究に興味がありました。正常な細胞が突然それを守り養っている個体を破壊し始めるのは何がそうさせているのか?癌細胞はいわゆる「ならずもの国家」——国際的な取り決めを破棄して、自身を含めた全ての人々を危険に晒す国々——に対比することが出来るかもしれません(私は政治と歴史にも興味があります)。結局(歴史に興味があるからかもしれませんが)私は進化について研究することに決めたのでした。しかしここでまたしても「どの分野で?」ということが大きな問題でした。恩師や指導教員が私の決心を後押ししてくれました。

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研究者になるまでの思い出を教えてください。

後に博士課程の指導教員となるヤブロコフ氏の個体群と進化に関する表形学の本を読んだことが転機でした。それまで私は卒業研究で植物生理学に従事していたのですが、動物学の分野に身を転じて宿主‐寄生虫の共進化に取り組み始めたのです。大学院入学後に私の指導教員になったヤブロコフ氏は素晴らしい(そして厳しい)教師でした。今日の私があるのは彼に負うところが大きいです。

私の経歴における次の重要な段階はスミソニアン熱帯研究所で、私はそこでポスドクを経て研究員になりました。パナマ地峡形成による海路の閉鎖が環境と生物に与えた影響を研究する中で、化石情報が持っている、現在の事象を理解して将来の変化を予測する上での価値を学びました。私は素晴らしい人々(主に地質学者と古生物学者でした)と共に仕事をしました。彼らは私に多くのことを教えてくれました。そこで身に付けた科学的知識に加え、このプロジェクトは目標を達成する上での共同作業の重要性を理解する助けとなりました。

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いま没頭している研究テーマは何ですか?

人間活動がもたらす衝撃が何百万年もかけて形成されてきた海洋生態系をいかに急速に変化させているか、そしてそれらの変化が最終的に我々の社会や文明にどのような影響を与え得るだろうか、ということについて現在研究しています。軟体動物や苔虫動物のように骨格を持つ生物に注目することで、現在の生物と過去の生物を比較することが出来ます。この比較は物事がどのように変化するのか、そしてそれらの変化が自然界に対してどのような意味を持っているか、ということを理解する手助けとなるでしょう。私には数カ国に共同研究者がいます。彼らと結果を比較し、考えを共有し、自然の中で何が起きているのかを理解しようとしています。

パナマの東太平洋側において軟体動物をドレッジしている様子

私が授業を通して学生たちに伝えようとしているのは、より良い世界を築き上げる上での知識の価値と自然に対する私達の責任です。彼らに示しているのは、科学とは共同事業であり、共同作業を通じてのみ我々は問題を解決できるのだ、ということです。若い学生たちの眼前にあるのは、自然を乱用・誤用することによって私達が現在生み出している深刻な問題を解決する、という極めて困難な務めです。このために彼らが必要とするものは知識と共同作業です。問題の解決にはそれらを共に探求することが必要なのです。

修士課程の大学院生だったサミア・クアイユムと。厚岸にて。
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所属・担当