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生き物の姿は環境適応の履歴

山口 淳二教授/YAMAGUCHI, Junji

形態機能学系
研究分野
植物科学
研究テーマ
生物の環境適応戦略とその分子機構

地表に固定したまま生きる植物は、厳しい外界の環境変化に対して、細胞・組織内の微環境を変化させることで生存を図ります。この環境適応過程は、遺伝的プログラムとともに様々の外部環境シグナル伝達が最終的に統合された結果として決定されるものです。その過程では、細胞内の物質代謝・輸送系等の内的な調節を促しながら、細胞死、成長相の転換等が進行し、最終的には植物の形さえも変化させることになります。私たちは、高等植物のみが有するこのような環境適応ダイナミズムの解明を最終目標としています。そして、その延長として、重要な遺伝子(群)を利用することで、私たち人間社会あるいは地球環境に有益な植物・作物を作り出すことを目指しています。

メッセージ

私たちは「生物の環境適応戦略」に興味があり、その研究を行っています。生物の特徴・個性はゲノムに刻まれていますので、ゲノム機能に関する研究が中心です。特に環境適応能力に優れた高等植物に着目し、これに働く遺伝子群の性質・機能の解明をめざしています。具体的には、ユビキチン・プロテアソーム機能、器官サイズ制御、植物免疫機能に関する研究を行っています。

生物学の根本的な問題は、どれも限りなく深く、魅力的です。研究に興味のある方は、まずそこから始めていくと良いと思います。

参考文献

  • 遺伝子の働きから生物の環境適応能力を探る
  • ユビキチンカスケードが関わるC/N バランスとソース・シンク制御機構の全容解明
  • 佐藤長緒,山口淳二 (2013)  C/Nバランス調節による植物の代謝・成長戦略,化学と生物,51: 763-772

栄養素代謝

炭素や窒素をはじめとする様々な栄養素の摂取と代謝は、生物の維持に欠かせないものです。細胞の中では、秩序の良い化学反応に従い数千~数万の物質が効率よく代謝されています。従って、その代謝過程は厳密に統制されています。それがおかしくなると、様々に問題(病気)がおこります。(山口淳二、佐藤長緒)

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環境適応

生物は、温度・乾燥といった生育環境の変化(非生物ストレスと称します)やウイルスやカビのような病原体の感染(生物ストレス)といった事態に対応・適応することで生き残りを図ります。移動が不可能な植物は、優れた環境適応能力を持っているという特徴があります。(山口淳二、佐藤長緒)

生物の形態、生態、行動、代謝などの性質が、ある環境のもとで生育するのに適していることや、より適した状態に変化することです。例えば、低温性の細菌は、0℃というような低温に適応しており、全ての代謝系の活性を維持し、増殖することが可能です。

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ゲノム科学

ゲノム(genome)という言葉は、「遺伝子(gene)」と「あるもの全体(ome)」という単語からなる造語です。文字通り「ある生物がもつ遺伝子の全体(像)」という意味です。ですから、ゲノムは生物そのものの特徴・個性を正確に表しています。(山口淳二)

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細胞死

文字通り「細胞が死ぬこと」です。ただし、多細胞生物の場合、少数の細胞が死んだからといって直ぐに個体全体が死ぬ訳ではありません。このからくりを生物は上手に利用しています。「プログラムされた細胞死」、「戦略的な細胞死」というのがそれに当たります。(山口淳二)

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免疫

病気のような「疫」を「免」れる、というのがその語源です。「自らを守る」という生物の行為は、まさに生物の基本属性です。私たちヒトだけでなく、全ての生物に特徴的な免疫システムがあり、効率よく自己を守っています。(山口淳二)

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ユビキチンプロテアソームシステム

細胞の中で働いている多種多様なタンパク質には、各々寿命があります。この「寿命」の決定に重要な働きをしているのが、ユビキチン・プロテアソームシステムです。ユビキチンは、原核細胞から真核細胞まで、普遍的に存在するタンパク質で、「いたるところに存在する(ubiquitous)」が、名前の由来です。「寿命」が尽きたタンパク質に結合します。そして、プロテアソームは、このユビキチンが付いたタンパク質を分解するための実行機械です。このシステムは、細胞内タンパク質の「品質管理」という面だけでなく、様々な生命現象を調節する「分子スイッチ」としても働いています。(山口淳二、佐藤長緒)

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北海道大学 大学院生命科学院 生命システム科学コース 形態機能学II

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