教員

昆虫の脳の不思議を探る

水波 教授/MIZUNAMI, Makoto

行動神経生物学系
研究分野
神経行動学
研究テーマ
微小脳の設計原理の解明

私の研究目標は、昆虫の脳「微小脳」の基本設計原理の明らかにすることです。昆虫がどこまで高度な学習能力を持つかを調べるとともに、学習・記憶のメカニズムを分子レベル、細胞レベル、神経ネットワークレベルで調べています。特に昆虫の脳の最高次中枢であるキノコ体に着目した研究を進めています。

具体的には、ゴキブリとコオロギを材料に、学習に伴う脳のニューロンの活動変化について調べる電気生理実験、昆虫の学習を支える認知能力とその限界のありかを解析する行動実験、匂い、形、色などの学習への報酬系や罰系の関与を明らかにする行動薬理実験、さまざまなシグナル伝達物質の阻害剤等をもちいて長期記憶形成の神経機構を探る研究、RNA干渉法を用いた学習に関わる遺伝子の機能阻害実験などを進め、それらを総合して脳の基本動作原理を探っています。

コオロギの長期記憶形成のシグナル伝達機構についての仮説。現在、その全容の解明を目指して更に研究を進めている。

ゴキブリのキノコ体の層構造。昆虫のキノコ体には、哺乳類の大脳皮質を連想させるような華麗な層構造がある。これはどのような機能と関係しているのだろうか?

メッセージ

昆虫の行動や脳には極めて興味深いものがあります。その本当の仕組みは未だ明らかになっていません。水波研究室では、学習、脳、進化をキーワードに、新しい研究分野を切り開くために励んでいます。昆虫に関して、何か疑問を感じたら、どのようなことでもメールで気楽に問い合わせて下さい。

参考文献

  • 水波誠、昆虫—驚異の微小脳、中公新書、2006年
  • 水波誠、昆虫の微小脳:脳進化の1つの頂点(分担執筆)、小泉修・阿形清和編、「神経系の多様性:その起源と進化」、培風館、pp.97-132、2007年
  • 水波誠、松本幸久、コオロギの学習と記憶(分担執筆)、曽我部正博編、「動物は何を考えているのか?:学習と記憶の比較生物学」、共立出版、pp.65-81、2009年

学習

行動学では、学習は、「経験による行動の変化」と定義されます。(水波誠)

閉じる

記憶

経験による神経系の変容を保持する過程。記憶は脳の特定の領域でニューロン間のシナプス伝達効率の変化として保持されます。(水波誠)

閉じる

昆虫

全生物種の半数以上を占め、最も成功し繁栄しているグループです。体は頭・胸・腹に分かれており、胸には脚と翅があります(翅のないものや退化したものあり)。種類が多く、極地から熱帯、地中・地上・水中など様々な環境に適応し多様化しています。(滝谷重治)

我々が現在認識している生物種全体の半分以上の割合を占める多様な生物群です。彼らの進化の道筋を解明することは、自然界における生物多様性の起源の相当部分を説明すると期待されます。(加藤徹)

昆虫の種数は全動物種の2/3に及びます。昆虫は地球上で最も繁栄している動物群です。私は、その繁栄の秘密の一端は、小さくても精妙なその脳の働きにあると考えています。(水波誠)

閉じる

脳進化

自然は実に多種多様な脳を生み出しました。その進化の秘密を解き明かすことが私の研究目標です。(水波誠)

閉じる

微小脳

私は昆虫の脳を「微小脳」とよぶことを提案しています。私は微小脳を小型、軽量、低コストの情報処理装置の傑作と考えています。(水波誠)

閉じる

ウェブサイト

水波 誠 研究室

所属研究院

大学院理学研究院
生物科学部門
行動神経生物学分野

担当大学院

生命科学院
生命科学専攻
生命システム科学コース

扱っている生き物
研究トピックス
お知らせ
連絡先

理学部5号館9階911号室
Email: mizunami [atmark] sci.hokudai.ac.jp
TEL: 011-706-3446
FAX: 011-706-3446

オフィスアワー

講義や実習について質問がある場合、また研究室の見学を希望する場合に、教員を直接訪問できます。


訪問受入時間: 随時


事前連絡があればオフィスアワー日時以外も可能

教員一覧