教員

分子レベルで生命現象を解析する

加藤 敦之特任教授/KATO, Atsushi

形態機能学系
研究分野
分子遺伝学
研究テーマ
RNA分子による遺伝情報発現制御機構の解析

生物は自分を形作り、生存していくために必要な、非常に多くの遺伝情報を持っています。これらの情報は発現して始めて機能するわけですが、常に全ての情報が発現していればいいわけではありません。必要な時に、必要な場所で、必要な情報が必要な量だけ発現することが秩序ある生命活動には重要です。生物は遺伝情報を発現するまでのさまざまな段階で、どの情報を発現するかを制御しています。私たちの研究室では、この制御機構の仕組みを探っています。特に、RNA分子を使った制御機構に興味を持っています。RNAは、DNAの塩基配列を写し取り、体内で働くタンパク質を合成するための仲介役と考えられてきましたが、最近になって色々な生物で機能不明なRNA分子が見つかってきています。これらが遺伝子発現制御等を通して生命現象となんらかの関わりを持つのではと考え、その実例と仕組みを調べようとしています。

メッセージ

私たちの研究室では、陸上植物を材料に、遺伝学・分子生物学などの手法を用いて生物がどのように生きているかを研究しています。生物学の究極の目的は人を知ることであるとしばしば言われます。しかし動物の生命を支えているのは植物です。動物と植物には色々な共通点がある反面、遙か昔から、異なった生存戦略も発達させてきています。当たり前に見過ごしてしまう植物がどの様にして生きているのか、その秘密の一端を知るのも魅力あることだと思います。

参考文献

  • 蛋白質 核酸 酵素 臨時増刊 Vol.51 No16 「RNAと生命」 共立出版 2006年
  • 植物工学別冊 植物細胞工学シリーズ24 「植物のエピジェネティックス」 秀潤社 2008年

遺伝

親の形質が子孫に伝わる現象です。これには、親の情報(遺伝情報)が子に伝わること(情報伝達)とその情報が表面に現れること(情報発現)が必要になります。これらの機構を核酸やタンパク質といった分子のレベルで解析する学問を分子遺伝学と呼びます。(加藤敦之)

生命維持のために必要な情報が、親から子へと受け継がれている事(出口善行)

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遺伝情報

ゲノムを構成する核酸(多くの場合はDNA)中に塩基配列として保存されており、1つの個体を形成する細胞は基本的に全く同様の遺伝情報をもっています。(加藤敦之)

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ゲノム

ある生物が持つ遺伝情報全体をゲノムと呼び、細胞の核に含まれる染色体DNAのすべてを指します。ゲノムには、タンパク質をコードするための情報を持つ部分、機能的RNAをコードする部分、およびそれらの発現を調節する部分以外に、機能が不明な部分も存在しジャンクDNAと呼ばれています。(加藤敦之)

それぞれの生物が持っている全遺伝情報、言い換えると、細胞が持っている全DNAがゲノムです。これによって生物の形や性質、発生が制御されています。1個の受精卵から細胞分裂で生じた体のすべての細胞は、特殊な例外を除いて受精卵にあったのと同じすべての遺伝情報を持っています。

ある生物が生きていくうえで必要とするすべての情報を含んだDNAの1セットのこと。高等生物の場合その大部分は遺伝子としての働きを持たない領域であり、近年その役割が注目され始めている。(木村敦)

生物の発生、成長、生殖など生物が生きていくために必要とする遺伝情報の全て。あるいは、染色体に含まれる全塩基配列。(吉田磨仁)

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ジャンクDNA

ゲノム中で何の遺伝情報も担っていないと考えられる部分でヒトでは90%程を占めると考えられてきました。しかし最近、これらの部分から作られるRNA分子が多数見つかり、その機能の重要性が議論され始めています。(加藤敦之)

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セントラルドグマ

遺伝情報伝達・発現の基本原理です。遺伝情報はDNAの複製により子孫に伝わるとともに、DNAからRNAそしてタンパク質へと伝わっていきます。前者は子孫への遺伝情報の伝達であり、後者は遺伝情報の発現時の情報移動の経路と言い換えることができます。(加藤敦之)

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