教員

科学的発見の過程とは、実際のところ、 驚嘆の念からの継続的な飛翔である -アインシュタイン-

フォルトウナト マルティン マリア ヘレナ准教授/FORTUNATO, Martins, Maria Helena

多様性生物学・進化学系
研究分野
進化学・生態学
研究テーマ
浅海大型底棲生物群集の多様性・進化・保全

私が興味を持っているのは大進化や小進化のプロセス、生物地理、および進化生態学であり、幾つかのモデル生物を用いてそれらの種分化や絶滅のパターンとプロセスを研究すると共に、それらが生物多様性の変化とどう関連しているのかを探求してきました。私は現在生きている生物たちが環境の変化にどう応答しているのかをよりよく理解するために、現生生物と化石の両方のデータを併せて研究を行っています。この他に私がこれまでに行ってきた研究テーマは、1)宿主(魚類・海獣類)・寄生者(鉤頭動物・単生類)の適応と共進化戦略、2)有孔虫類と軟体動物の生態・古生態学、3)軟体動物の捕食・被食、および4)腹足類の系統学と生物地理学的パターンです。また、最近は海洋酸性化が石灰藻類、貝類、および苔虫類に与える影響に関する研究を開始しました。以下の研究プロジェクトが現在進行中です。

  • バルト海および北海における苔虫動物Flustra foliaceaの石灰化パターン(独・キール大学プリスカ・シェーファー教授との共同研究)
  • 苔虫動物Flustra foliaceaの歴史的コレクションを用いた成長パターンの解析(英・ロンドン自然史博物館ベス・オカムラ博士との共同研究)
  • カリブ海(パナマ)における石灰藻類の成長パターン(独・キール大学プリスカ・シェーファー教授との共同研究)
  • パナマ東太平洋沿岸およびカリブ海沿岸の現生・化石軟体動物群集における捕食パターン
  • 厚岸および忍路の沿岸群集における捕食強度
  • 厚岸における浅海軟体動物の分類と分布
  • 厚岸と忍路における腹足類群集における寄生虫負荷

北海産 Flustra foliacea
パナマ・ガトゥン累層から出土したTurritella属の殻: タマガイ科による穿孔跡の走査型電子顕微鏡像
英国自然史博物館収蔵のFlustra foliacea

メッセージ

生命とその全ての形は私にとって常に驚きであり続けています。私はいかにして、そして何故地球上に生命が誕生し進化したのかを知りたいと思います。多くの可能性を秘めた近年の研究ツールと技術は生物学者であることを大変すばらしいものにしています。しかし現代はまた警戒すべき時でもあります。人間活動は自然のシステムを急速に変化させており、このため数億年の進化の結果であるかけがいのない地球上の生物多様性を可能な限り理解し、記録し、保全することは私達の義務といえます。

参考文献

  • Schäfer P, Fortunato H, Bader B, Bauch T, Reijmer JJG 2011. Facies, growth rates and carbonate production in upwelling and non-upwelling settings along the Pacific coast of Panama. Palaios, DOI: 10.2110/palo.2010.p10-138r
  • Herbert GS, Dietl GP, Fortunato H, Sliko J, Simone LR 2009. Ectoparasitism byVitularia salebrosa (Neogastropoda: Muricidae) on molluscan hosts: Evidence from predation traces, isotope sclerochronology, and feeding experiments. The Nautilus, 123(3): 121-136
  • Fortunato H, Schäfer P 2009. Benthic communities and the role of coralline algae as structuring elements in the Panamanian eastern Pacific coast: preliminary evaluation. Neues Jahrbuch für Geologie und Paläontologie, 253(1): 145-161.
  • Fortunato H 2008. The Central American land bridge: evolution at work. Schr. Naturwiss. Ver. Schlesw-Holst.70 56-72 Kiel XII-2.
  • Fortunato H 2007. Phylogeny of the genera Cotonopsis and Cosmioconcha(Neogastropoda: Buccinoidea). American Malacological Bulletin, 23(1/2): 33-42.
  • Fortunato H 2007. Naticid gastropod predation rates in the Gatun formation (lower Middle Miocene), Panama: preliminary assessment. Paläontologisches Zeitschrift, 81(3): 356-364
  • O’Dea A, Jackson JBC, Fortunato H, Travis Smith J, D’Croz L, Johnson KG, Todd JA. 2007. Environmental change preceded Caribbean extinction by 1-2 million years. Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA, 104(13): 5501-5506.

Ocean acidification/海洋酸性化

Refers to the decrease of ocean’s pH leading to the increase of its acidic properties. In ocean acidification research, this process is considered to be a consequence of the increased amount of atmospheric CO2 that dissolves in seawater producing carbonic acid.
Among its direct consequences is the reduction of the carbonate dissolved in the ocean and that is used by organisms to build their skeletons. Other indirect consequences are changes in physiology, reproduction capability, growth, etc.
海洋酸性化:海洋のpHの減少(すなわち酸性化)を指す。海洋酸性化研究においてこの過程は、大気中の二酸化炭素濃度の上昇、並びにそれが海水中に溶けて炭酸を生じることによってもたらされると考えられている。その直接的な効果の一つに溶存炭酸塩(多くの生物の骨格を形成する)の減少があげられる。その他にも生理的機能、繁殖能力、成長などに間接的な影響を与えると考えられている。(エレーナ・フォルトゥナート)

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Environmental impact/環境インパクト

Environmental impact: refers to any change in the environment (surroundings) that may affect organisms. These changes can be planned or not. Often these changes have undesirable consequences and may be irreversible (cannot go back to the initial state).
環境インパクト:生物に影響を与えうる環境の変化を指す。これらの変化は意図的であるかどうかを問わない。しばしば望ましくない結果をもたらし、不可逆(元に戻すことが出来ない)である。(エレーナ・フォルトゥナート)

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Morphology/形態学

This is a branch of biology that studies the form and structure of an organism. It deals with both internal (anatomy) and external form.
生物の形と構造を研究する生物学の一分野。生物の内部・外部双方を扱う。(エレーナ・フォルトゥナート)

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進化

生物は遺伝情報を持ち、そこには新しい変異が絶え間なく生じます。そこにはゲノムの柔軟性が関与し、遺伝子は様々な原因で変化します。また、新しい環境を生き抜くため、新しい変異が集団中に広がり、種は形態、機能的に変化します。(鈴木仁)

生物が長い時間の間生命を受け継いでこられたのは進化の仕組みがあったおかげですし、そもそも生物の誕生も進化によるものです。多様な生物も進化の産物であり、生物の進化の歴史を知ることは生物分類にとって大変重要です。(小亀一弘)

エビもカニもミジンコも、5億年くらい前には1種類の動物でした。時間とともに小さな変化が積み重なって進化したことは確かなのですが、どのようにして小さな変化が起こり、大きな変化になるのかを研究するのが進化学です。

コケムシ類は化石記録も豊富にあるため、包括的な進化研究の格好の材料といえます。(マシュー・ヒル・ディック)

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生物地理学

古典的にはどのような生物がどこに分布しているかを調べる平面的な学問でしたが、現在では分子系統学を導入することにより、時間の流れも含めて考えることができるようになっています。(増田隆一)

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